授業
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東北大学で開催された環境微生物系学会合同年会に高校スーパーサイエンスコース2年生の生徒1名が参加し、8月29、30日の2日間にわたり「ミドリムシが水耕栽培に与える影響」について発表を行いました。水耕栽培において酸素の供給は重要ですが、その酸素供給源として光合成をする微生物であるミドリムシを用いるという研究です。今回はミドリムシが酸素供給源としてだけではなく栄養供給源としても働く可能性を見出し、報告しました。
これまでの研究では、水耕栽培の培養液中にミドリムシがいる条件といない条件で発芽率と発芽後5日目の作物の重さについて比較すると、ミドリムシがいる条件で発芽率は高く、重量は重くなることを明らかにしてきました。学会ではこれに加え、ポンプを用いた酸素供給とミドリムシの存在を組み合わせて栽培したとき、どちらか一方よりも両方用いた場合に作物がより良く生育することを見出しました。このことは、ミドリムシが酸素供給源だけではなく、栄養供給源であることを示唆しています。
ポスターセッションでは研究者相手にプレゼンテーションし、質疑応答を繰り返しました。研究者から指摘や提案などをいただく中には厳しいものもありましたが、発表した生徒本人は「面白いと言ってもらえて嬉しかった」と疲労の中にもそこでしか得られないような満足げな表情で話してくれました。
また、2日目の午前中には、世界的に見ても最大規模のヒトゲノム解析拠点である東北大学東北メディカル・メガバンク機構の医療資源の保管施設・ゲノム解析施設・スーパーコンピュータを見学させていただきました。いずれの施設も最新鋭で規模も大きく、生徒は目を輝かせて見学し、案内していただいたバイオバンク生命科学分野の山下理宇准教授に積極的に質問をしていました。見学後には山下先生に研究内容を話す機会をいただき、白熱した議論になりました。研究の指針についてご意見もいただき、生徒も納得の行く議論ができたと喜ぶ姿が印象的でした。