授業
授業
3月14日(火)、中学本科クラス2~3年次のプログラムである基礎ゼミナールのスタート1年目の締めくくりとして、中間発表会を開催。来年度から基礎ゼミが始まる現在の1年生を招き、オーラルプレゼンテーションとポスターセッションを行いました。
オーラルプレゼンは、オーディエンスである1、2年生の生徒審査によるコンテスト形式となっており、①新規性・独創性=ex.斬新であるかどうか、②明瞭性=ex.理解しやすいか、③将来性=ex.待ち望まれる研究か、④先行研究=ex.先行論文が調べられているか-以上4つの項目について評価し、その総合得点を競いました。その結果、以下3組が表彰されました。
数学・コンピュータ科学グループ 講座名「Tech!」
「 ”文豪” をテーマにしたアプリの提案」
プログラミング言語「Swift」を用いたクイズアプリの制作を学んだ「Tech!」ゼミ。国語の授業で取り扱った「走れメロス」から着想し、太宰治をはじめとする文豪たちに関する事柄を4択クイズにしたアプリを提案しました。
言語と文学グループ 講座名「ことばを科学する」
「広告CMビジネスの世界」
「広告における言葉と音楽」が研究テーマ。JR東海の「そうだ 京都、行こう。」とauの「みんながみんな英雄」のCMを例に、言葉と音楽の使われ方、その効果について比較・分析しました。今後は「経営実践講座」ゼミとコラボレーションした広告制作も予定しています。
言語と文学グループ 講座名「文学を味わう」
「村上春樹『パン屋再襲撃』徹底分析」
村上春樹の短編小説『パン屋再襲撃』を研究対象とし、複数の先行研究にもあたりました。「主人公とその妻」の関係、とりわけ「妻」の存在に着目しながら、先行研究とは異なる主張を展開し、丁寧に物語を読み解きました。
◇ ◇ ◇
ポスターセッションも、会場はおおいににぎわいました。ポスターセッションとは、これまでの活動や研究内容をポスターにして掲示し、その作成者は聞きに来た人にそのつど説明したり質疑応答なども行う、研究発表のひとつのかたちです。聞き手は興味のある研究テーマのポスターを自由に聞いてまわることができます。
「自分たちの研究に興味を持ってくれる人がいるのか」と、はじめは不安を抱えながら臨んでいた生徒たちも、聞き手が一生懸命に聞いてくれたり、質問をたくさん受けることで自信を覚え、語る様子にも次第に熱がこもっていきました。さらに質疑応答にとどまらず、ディスカッションが始まるグループもありました。
2年生は、発表者であり、オーディエンス・評価者でもありました。他者から評価されるだけでなく、他者を適正に評価することも、自分の研究内容や、発表の仕方などについてかえりみることにつながり、自身の力を伸ばしていきます。来年度も研究活動は続きます。学園祭での最終報告プレゼンや紀要の編纂に向けて、この日の経験をぜひとも活かしてほしいです。
また、1年生の参加する姿勢にも、この1年間の成長がとてもよく見られました。プレゼン、ポスターセッションどちらにおいても、「聞く姿勢」が身についてきていることが感じられ、日々の授業や行事、課外活動の中で、相手の話に耳を傾けることの大切さを学んでいる者の態度でした。基礎ゼミは、必ずしも第1希望のゼミに入れるわけではありません。しかしながら、先輩のさまざまな研究報告に触れたことで好奇心のアンテナの範囲が広がり、春からのモチベーションも新たに高まったのではないでしょうか。
3月17日(金)、「Tech!」ゼミのメンバーが、東京文京区にあるチームラボのオフィスを訪問しました。チームラボとはどんな会社で、どんなモノをつくっているのか、スタッフの方からのレクチャーの後には、生徒による三田国際学園の紹介やゼミの活動内容に関するプレゼンテーションも社員の方々に見ていただきました。
「どうやってアイデアを思いつくのか」などといった生徒の質問にも答えていただき、その後はオフィスを見学。はじめに通されたミーティングルームをはじめ、オフィス内には活発なコミュニケーションとモノづくりの断片があふれていました。
今年度のゼミ活動はこれで一区切りとなります。4月からは既存のゼミに新2年生が加わったり、新しいゼミも開かれます。
この1年間の基礎ゼミ関連記事もあわせてご覧ください。