冬期教員研修を実施

その他

1月6日(金)、今年度3回目となる冬期教員研修を実施しました。 今年度最後の研修は、これまでの取り組みを振り返るとともに、次年度、ひいては2020年の学習指導要領改訂に向けて、「次へとつなげる」ことを念頭に、次期指導要領が目指す「主体的な学び」「対話的な学び」「深い学び」へと通じる授業実践のためのプログラムを組み立てています。また、別の日には各教科ごとに大学入試をベースとしたペーパーテストも実施しました。

ミッションの共有

冒頭の学園長講話は、21世紀型教育を実践する本校において「実現してほしい授業」をテーマに語られ、本校の教育の柱としているアクティブラーニング形式の「相互通行型授業」を、より理想的なかたちで実現するために、クリアしなければならない課題が示されました。 定期的に全教員が参加して行われる研修では、このように必ず「ミッションの共有」がなされ、提示された課題解決のために必要なトレーニングやミーティングを行っていきます。

ICT活用状況の共有

ICT教育を実践する本校では、教員で組織される「ICT活用委員会」が中心となって、授業を行う側である教員自身がICTリテラシーを高め、授業支援アプリ等を使いこなすための知識やスキルを身につけることに務めています。また、本格的にICTを導入して3年を経て、教育現場でより効果的にICTを活用するために、現状把握、課題の掘り起こしも必要となってきています。今回の研修では、ICTが授業においてどれくらいの頻度で、どのように使われているかについて、教員ではなく「生徒」にアンケート調査を行った結果報告を行いました。この結果から見えてきた課題を教員間で共有し、次なる目標達成のためにどのような取り組みをするべきかについて話しました。

相互通行型授業のロールプレイ

相互通行型授業のロールプレイは、夏期研修に引き続き、教科横断型授業(クロスカリキュラム)がテーマで、今回は「体育×物理×数学」の授業例を採用しました。授業のプロセスを教員が体験しながら、教科横断型授業の具体的なイメージを掴んで、実際の授業実践へとつなげていきます。

 

最初の問いかけ=トリガークエスチョンは「リオ五輪の陸上男子400mリレー、日本チームが銀メダルを獲得できたのはなぜ?」。まずはグループに分かれて、中継動画を見ながら仮説を立てます。当時のニュースでも話題になりましたが、日本チームだけが採用していたというバトンパスの方法に速さの秘密があり、理科教員からこのバトンパスの方法を踏まえた、「物理」の観点からの解説を聞き、体育を科学的にとらえて考えていきます。

 

さらにグラウンドに出て、50mを全力疾走したタイムを計測。そのデータをもとに数学の一次関数と二次関数を用いて、日本チームの走りを理論的に再現することにチャレンジしました。

教科横断型授業の教案デザインワークショップ

教科横断型授業の教案作成は、当然ながら教員1人で考えることは困難であり、ゼロから組み立てるためには相応の時間が必要です。教員全員がそろってコミュニケーションでき、集中して思案するための時間をもてる研修は、教案作成のための絶好の機会ともいえます。教科に偏りが出ないように組まれたグループを編成し、「複数教科の教科横断デザイン」という条件のもと、作成に取り掛かり始めます。

 

自分の専門とする領域はもちろん、日ごろから情報感度を高めてキャッチしている時事問題、新しいテクノロジーやグローバルイシューなども盛り込みながら、議論を深めていきます。最後にグループごとに作成した教案のプレゼンテーションを行いました。この教案をもとに、次年度以降の教科横断型の授業実践へ向けてさらにブラッシュアップを重ねていきます。