授業
授業
今年度からスタートした中学本科クラスの基礎ゼミナール。
それぞれの講座で校外学習に出かけたり、本校に企業や講師を招いて特別講座を行ったりと、着々と研究活動を進めています。
1月には、これまでの活動内容をまとめて、中1に向けてゼミの勧誘会を開く予定です。
2学期末に実施した校外学習や特別講座の様子を2回にわたってご紹介します。
『文学を味わう』ゼミでは12月12日(月)、先行論文を探しに、東京・広尾にある都立中央図書館に出かけました。文学ゼミでは、村上春樹の著作『パン屋再襲撃』を研究のメインテーマとしています。図書館では、『パン屋再襲撃』やその前日譚である『パン屋を襲う』に加えて、それらの周辺作品や村上春樹自身に関する先行論文を、書籍や雑誌などから収集しました。
一方、『微生物学実験講座』と『生物を考える』、実験科学グループの2ゼミは12月16日(金)、東京・お台場にある日本科学未来館を訪れました。日本科学未来館は、いま世界で起きていることを、宇宙・生命・ロボット・情報など多様な科学的側面から体験できる施設です。生徒たちは自分の研究テーマに関わらず、さまざまな展示に興味を示しながら、しばしの時間、科学の世界を堪能していました。
『経営実践講座』『社会科学研究方法論』『生物を考える』ー3ゼミ合同の特別講座は、コンビニエンスストアを展開する株式会社ローソン・業務システム統括本部の八並朋之さん、氣屋村
「ideathon(アイデアソン)」とはidea(アイデア)+marathon(マラソン)からの造語で、チームでアイデアを出し合い、問題解決を図ろうというイベントです。もともとはソフトウェア開発者が集い、一定期間集中してプログラム開発やサービスを考案し、そのスキルやアイデアを競うイベント「HACKATHON(ハッカソン)」に由来します。
「人×技術」「ビジネスを考える面白さの体験×新たな価値の創造」といったキーワードをもとに、中学生の視点からコンビニエンスストアの新しい可能性を探ることを狙いのひとつとしています。
11月9日(土)に行われた初回は、コンビニとは何か、フランチャイズとは何か、私たちがコンビニで買い物をするまでに、どのような仕組みが配されているのかなど、これからグループワークをする上で前提となる基礎知識を学びました。
後日、ある店舗の損益計算書のデータ分析が課題として出されました。生徒たちは、損益計算書から読み取れる「店舗の問題点」と「解決策」をディスカッションしました。
そして2回目、12月12日(月)。議論を発表資料としてまとめ、各グループがプレゼンテーションを行いました。
プレゼンでは、人件費の増加や、雑誌の売り上げ減、廃棄の金額が高いことなどに着目し、その改善策として、セルフレジの導入や、陳列棚の配置の工夫、アウトレット販売といった提案をしました。そして、「資料と結びつけ、人に納得してもらうように考えるのがとても難しかった。」などといった感想で発表を結んでいました。
店舗にある「問題」を見つけ「解決策」を導き出すにあたり、コンビニ業界が抱えている課題、社会全体として直面している課題、それぞれを分けて考えることなど、まだまだ追いついていない面もありました。しかしながら、アルバイト経験などない中で、「もし働いているならば」と想像して、どう店舗をレイアウトするか提案できているグループもあり、ビジネスを考える「難しさ」と同時に、「面白さ」もしっかり体験していたようでした。この特別講座を通して、新たな「?」をそれぞれゼミに持ち帰り、これからの研究の糧としてくれることでしょう。