Social Link Actionー地域での活動を通してエージェンシーを身につける

キャリア

9月13日(水)から16日(土)にかけて、中学3年生の修学旅行であるSocial Link Action(以下SLA)が行われました。

 

SLAは中学3年間の集大成として行われる、修学旅行を兼ねた宿泊研修。事前に調べた地域に足を運び、その地で起こっていることを直接見聞きし体感することで自分にできることを考え、自分なりのアクションを起こします。自分も社会に対して貢献できるというエージェンシーを身につけ、今後の自分のキャリア形成につなげることが、この宿泊研修の最大の目標です。

 

今年度のSLAで訪れたのは福井県坂井市。実際に宿泊研修を行う前からプロジェクトごとに下調べを進め、地域の方々とのZOOMでのミーティングなども重ねて、事前準備を進めていきました。15日(金)からは京都に移動しましたが、今回はプロジェクト活動を行った福井県坂井市での様子をお伝えします。

13日(水)の朝に東京駅を出発し、金沢へと向かう北陸新幹線にて早めの昼食を取りました。金沢からはプロジェクトごとに分かれ、東尋坊、三国、坂井、丸岡の市内4エリアへとそれぞれバスで向かいました。

2024年3月16日の北陸新幹線福井・敦賀開業に伴い、これから交流人口が増えることが期待されている福井県。しかし現状は、県内の人口減少や空き家の増加などの問題があり、観光名所や豊かな自然、伝統的な産業などの魅力があまり県外に伝わっていないという現実があります。

 

だからこそ今、実際に生活をしている地域の方々と関わり共に考えることに、この宿泊研修を実施する意味があります。日頃の教育活動から常に意識している12のコンピテンシーをさらに高めていきながら、それぞれが活動に取り組みました。

 

三国を訪れた空き家再生プロジェクトのメンバーは、三国高校の生徒と共に町周辺を散策し現在の空き家の活用内容を現地の方に聞くことで、今後の空き家の新しい活用法について考えました。コミュニティーキッチンやゲストハウス、レストランなどへと再生された空き家を、生徒たちは驚きと関心のまなざしで眺めていました。

 

「県外の人に魅力を伝え観光客を呼び込む」とは違う視点で、「福井県内の人々に地元の魅力をもっと知ってほしい」と考えたグループもいました。

 

エシカル消費者を増やし福井県内での魚の地産地消に貢献するという目的を掲げたグループは、魚釣り体験や漁師の方へのインタビュー、地元の食堂の愛称を決め地域の方々に広める活動などを行いました。

食堂を広めるためのポスターを作成後、三国小学校、中学校、高等学校へ行き、この活動の目的や食堂の愛称に込めた思いなどをお伝えし、校内のポスター掲示をお願いしました。

 

それぞれの学校の先生方が課題解決に取り組む生徒の話を熱心に聞いてくださることで、生徒も自分たちの活動に自信を持てているようでした。また、三国中学校の生徒さんとも交流することができました。

 

丸岡では、国内最大のシャトル織機(旧式)を使ったリボン工場の見学をし、魅力発信の方法を考えるプロジェクトや、丸岡城を見学し魅力を伝えるための映像や広報誌などについて考えるプロジェクトなどを行いました。

 

坂井では梨の農業体験や旅行プランの作成、東尋坊では商店街のお店とコラボしたドリンクメニューの考案や、商店街の魅力を伝えるマップや動画制作など、それぞれの地域で課題解決の方法を模索し、全力でプロジェクトに取り組みました。

2日目の夜は、2日間の活動を通してまとめた提案をそれぞれのプロジェクトごとに行いました。プロジェクトにご協力いただいた地域の皆様もお越しくださり、生徒の発表を受けてフィードバックを行ってくださいました。地域の方々とはまた違った視点での本校生徒の考えに対しアドバイスやご意見をくださり、生徒自身も今後も続くプロジェクトへの意欲がより一層高まっているようでした。

 

また、福井新聞でも、本校生徒のフィールドワークから発表までを記事に取り上げていただきました。

MITA International Festival 2023 にて行うオリジナルデザインのリボンのワークショップや、12月に横浜にて開催されるお城EXPOでの制作物の披露など、生徒たちの活動は今後も続いていきます。この宿泊研修で身につけた、自分も社会に対して貢献できるというエージェンシーを今後のキャリア形成につなげ、社会へと貢献していってほしいです。

 

研修を通して、生徒の活動に多くのご支援とご協力をいただいた地域の皆様、関係者の皆様に、改めて御礼申し上げます。

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