行事
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5月8日(火)〜10日(木)の3日間にわたって、中学2年生は国内語学研修「Global Village」を、千葉県成田市内のホテルで実施しました。このGlobal Villageは、世界各国の留学生と英語でグループセッションを行う協働体験です。多様なバックボーンを持つ留学生とのコミュニケーションを通じて、自分と異なる価値観に触れ、日本で学ぶ動機や志を知ることで、世界と自分のつながりを考え、「自分たちのつくる未来」についてプレゼンテーションします。
1日目、ホテルに到着後、開校式を終えて3日間ともに過ごす留学生たちと対面しました。留学生は「リーダー」としてグループ活動を牽引します。留学生リーダーのほとんどが、英語を母国語としない国の出身で、バングラディシュ、アルゼンチン、スリランカ、ナイジェリア、フランスなど20カ国以上から参加しています。
そして毎年恒例、3日間のアクティビティの進行役を務めるファシリテーターから、Global Villageでの3つの大切な心構え
(1)Don't be shy.
(2)Speak English.
(3)Mistakes are O.K.
が伝えられ、Global Villageがスタートしました。
Global VillageのプログラムはすべてAll Englishで進行し、リーダーとのグループセッションにも日本語の補助などは入りません。分からないことも、すべて自分たちで助け合いながら解決していく必要があります。生徒たちは、このGlobal Villageをひとつの目標に、入学してから1年間、英語学習に取り組んで来ました。また、生徒の英語の学習歴、レベル別にグループ分けがなされており、「できる子にまかせる」のではなく個々人がその力を発揮できるような環境で3日間取り組みます。
まずはアイスブレーキングゲームやグループで自己紹介をしながら緊張をほぐし、つづいてリーダーが自国の文化や生活について紹介します。生徒たちはリーダーの話に真剣に耳を傾け、物怖じすることなく、英語で質問を投げかけます。続いて行ったのはPoster Makingです。自分のグループのリーダーについて色々と質問しながら、その内容を一枚のポスターにまとめます。リーダーの母国の国旗をモチーフにデザインしたり、似顔絵に挑戦するグループもあり、個性豊かなポスターたちが会場に勢ぞろいしました。
一方、インターナショナルクラスのAdvanced、Intermediateの生徒たちは、事前に調べ学習を行ってきた「SDGs」に関する発表を行い、その内容についてリーダーにインタビューをし、その内容をポスターにまとめます。SDGs=Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)とは、2015年9月に開催された「国連持続可能な開発サミット」において掲げられた17の目標で、貧困や飢餓の撲滅、質の高い教育などの開発途上国の開発支援のほか、クリーンエネルギーやまちづくり、気候変動など地球環境に関するトピックがあり、先進国も含めて世界全体で取り組まなければならないゴールとして提示されました。
2日目、午前中は、「異国の中学生活」「日本で受けたカルチャーショック」について、リーダーの話を聞いたり、生徒からインタビューをしたりしました。昨日からずっとAll Englishで話を聞き、考え、話す、ということを続けていますが、途中体を使ったゲームなどをしてリフレッシュしながら、集中を切らさず、前向きにアクティビティに取り組んでいました。
午後からは最終日のプレゼンテーションに向けた準備が始まります。「なぜ日本で学び、その経験をどう生かすのか」というテーマでリーダーがプレゼンテーションし、その夢や志に触れます。生徒たちはその話の中で気になったことなどを質問し、自分自身の将来の目標設定の参考にします。
そして、これまでのリーダーとのセッションを通して知ったこと、感じたこと、考えたことなどを踏まえて、自分たちが理想とする世界を表現する「Flag」をつくります。色やかたち、取り入れるモチーフに、さまざまな願いや意思を込めてデザインしていきます。最終プレゼンテーションのテーマは、「Design our future together」です。ここで作成したFlagを元に、リーダーとともにテーマについて話し合い、発表の内容を練ります。
Advanced、Intermediateのグループも、2日目は最終プレゼンテーションに向けた準備を行いました。与えられたテーマは、「Message we would like to spread to the world」。1日目に行ったSDGsに関するセッションを元に、リーダーとのディスカッションの内容も取り入れながら、ミニドラマを制作します。制作にあたっては、動画撮影、編集のコツなどのレクチャーも受け、まずは動画の構成を話し合い、その計画書となる絵コンテを作ります。それが出来上がったら、撮影が許可された範囲で、ホテル内に散り散りになって、撮影を開始。撮影後にはもちろん自分たちで編集作業も行い、翌日の発表に備えます。
3日目、これまで準備してきたプレゼンテーションを行い、リーダーたちの審査により優秀グループも選ばれました。生徒一人ひとりが自分の力に応じて、それぞれ目標を持って取り組んだ3日間。毎日のように英語学習に取り組んではいても、一日中英語を聞き取ろうと耳を傾け、それに応じて話そうと試み続けた経験をしたのは、はじめての生徒がほとんどだったのではないでしょうか。また、Advanced、Intermediateの生徒にとっても、英語を習得しているからといって簡単にこなせる課題ではなく、大きなチャレンジとなるテーマに取り組み、ひとつの成果としてミニドラマを完成させることができました。
最後に、活動中、思わず日本語でやりとりをしてしまうと、お互い目を見合わせて「Speak English」と声を掛け合うシーンを見かけました。自分自身の目標達成だけでなく、お互いに高め合いながら成長していこうという日常のあり方が感じ取れる場面で、これからも続いていく彼らの学びが、大きな実を結ぶであろうことを予感させてくれました。