EUがやってきた!ー駐日代表部政治部長が来校

行事

11月10日(金)、高校1・2年生を対象に、駐日欧州連合(EU)代表部公使参事官・政治部部長のファビアン・フィエスキ氏をお招きして特別講義を開催しました。これは、駐日EU代表部とEU加盟国大使館の大使を含む外交官らが行っている『EUがあなたの学校にやってくる』という出張授業プロジェクトの一環で、EUの成り立ちや今日の世界で果たしている役割などについてお話ししていただきました。

 

前半は、EUの概要や世界における役割、日本との関係についての講義です。2度の世界大戦を経て荒廃し冷戦状態にも置かれたヨーロッパが1952年、資源の奪い合いをやめシェアしあうことを決め、ヨーロッパ石炭鉄鋼共同体(ECSC)を発足しました。これがヨーロッパ統合の第一歩でした。その後57年の経済共同体(EEC)などを経て、93年にEUへと発展しました。

 

現在28カ国が加盟するEUの主要原則は、「対立ではなく協力」「国境のない暮らし」です。そして、加盟のための条件は、民主主義の尊重、市場経済、法の支配、人権の尊重、です。現在も、セルビア、モンテネグロ、トルコなどが加盟候補国として、これらが守られているか検討し、交渉をしています。これら主要原則や加盟条件といったキーワードは、私たちがEUを取り巻く問題を考える大切な手がかりとなります。

 

また世界の諸問題、たとえばイラン核開発問題では、その解決に向け、EUは関係各国のパートナーと連携し、交渉役として緊張緩和、事態打開に向けて重要な役割を担いました。ほかにも人道支援や開発援助を行っており、世界の開発援助の約60%はEUと加盟28カ国が提供しているそうです。また、EUは独自の軍隊は保有していませんが、加盟国の軍隊を活用して、ソマリア沖の海賊対策など、平和構築、安全保障ミッションにも関わっています。日本とEUの関係も、経済、安全保障、開発援助など様々な側面で密接に結びついているということでした。講義終了後の生徒たちからは、こうした事実を知らなかったので驚いた、という感想も多く寄せられました。

 

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後半はインタビュー形式で生徒たちから集まった質問に答えていただきました。また、講義終了後にも代表生徒と懇談の時間を設けていただき、生徒たちが関心のある国際問題について解説していただきました。生徒からは、「国という枠組がなくなると、移動するときには外国に行くという感じがしないのか」といった素朴な疑問や、2016年の国民投票によりイギリスがEU離脱を決めた「Brexit」について、その背景やもたらす影響についての質問が出ました。

 

たとえば、最初の質問に対し、どのようなお話をしていただいかというと…
ーEU主要原則のひとつ「国境のない暮らし」は、人、もの、サービス、資本の4つの移動の自由を実現しました。EU通貨・ユーロも19カ国が導入しています。とはいえ各国の文化、習慣など多様性は保たれており、言語も24カ国語が存在します。たとえば列車に乗っていて、パスポートやビザなどが不要になり、知らないうちに国境を通過していても、アナウンスの言葉が変わっていたりします。けれど、両替もいらず、システムがまったく異なるということもなく便利になり、東京から名古屋への移動と変わらないような感覚はあります。

 

ほかにも、北朝鮮の核問題について、地理的には離れたEUがどうこの問題を受け止め、問題解決に向けどのように関わろうとしているのかということ、過去の冷戦を国家レベルから個人レベルまでどう乗り越えてきたのか、スペインで高まっているカタルーニャ独立運動についてなど、先述のキーワードを踏まえながら、分かりやすく丁寧にお話ししていただきました。本校には、ヨーロッパにルーツを持つ生徒や、将来国際関連の仕事に就くことを目標にしている生徒もいます。反対に今までEUのことについてほとんど知らなかったという生徒もいました。いずれの生徒にとっても今回の講義は、自分自身が世界の諸問題とどう関わり、どんな貢献ができるのかを考える貴重な機会となりました。

 

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